プロトタイピングでよく使われる3Dプリンタですが、積層痕という材料を積み重ねていった後のようなものが残ります。これをなくして塗装するには、何層も塗装と研磨を繰り返さなければならず非常に面倒でした。また研磨してのなかなか積層痕はとれません。
そこで、現在実験しているのは、できあがったパーツの表面にUVレジン、すなわち紫外線硬化樹脂を塗布し、硬化させ研磨することで積層痕をなくす実験です。他にも瞬間接着剤を用いる方法もあるのですが、以前実験したところ瞬間接着剤では乾燥する際、空気との反応によって硬化するためヒケ(塗布した液体が収縮してしまうこと)が生じてしまい面がきれいに出ませんでした。そこで今回はUVレジンを用いています。
結果として、積層痕をうまく消すことができるようになりました。また工程も簡単で早く、瞬間接着剤のように指について指の皮が剥がれるといったこともありません。
工程に課題もあります。3Dプリンタでは比較的高さのある部品を製作するため、それに応じた紫外線照射ボックスを用意する必要があるということです。現在は、手で紫外線LEDを照射しています。
3Dプリンタ造形→UVレジン塗り込み→紫外線照射:硬化→研磨剤研磨→サーフェイサー塗装→乾燥→研磨→塗装
という風に工程を進めれば目的が達成できるようです。サーフェイサー後の研磨は400番からはじめるとちょうど良さそうです。この工程では、塗膜の表面硬度が課題ですが、後日ガラスコーティングなどを実験してみるつもりです。